立ち仕事で疲れるのはなぜ?足が疲れにくい立ち方を理学療法士が解説

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この記事の結論

立ち仕事で足が疲れるのはなぜ?

体重の置き場所が一日中変わらず、倒れないようブレーキをかけ続ける「止め役」の筋肉に疲れが集まるからです。

疲れる場所で何がわかりますか?

体重の置き場所です。ふくらはぎはつま先寄り、脛の前はかかと寄り、足の裏の内側はアーチの下がりを示します。

立ち仕事の疲れを減らす工夫は?

足の裏の中で体重を動かす、膝を一度ゆるめる、靴の中で足の指を動かす、指に余裕のある靴を選ぶ。この4つです。

立ち仕事を終えて家に着くと、足の裏がじんじんして、ふくらはぎが棒のように重い。座り仕事の人より動いているはずなのに、なぜこんなに疲れるのか。販売、調理、看護、美容、工場のラインなど、立って働く方からよく伺う悩みです。この記事では、立ち仕事の疲れが「立っている時間」ではなく「体重を足のどこに置き、どれだけ動かしたか」で決まる仕組みを理学療法士が解説します。疲れる場所から立ち方を見直す方法と、靴の選び方もお伝えします。

目次

立ち仕事で疲れるのはなぜか

立っている時間の長さだけでは説明がつかない

同じ8時間の立ち仕事でも、終わったあとの疲れ方は人によって大きく違います。時間が原因なら、全員が同じように疲れるはずです。差を作っているのは、立っている間に体重が足のどこに置かれ、その位置が何回動いたかです。

椅子に座ると、体重は骨盤の底の骨が受け止めます。立つと、体重は足の裏という小さな面で受けることになります。足の裏には骨が並び、その上に体を立てておくために、たくさんの小さな筋肉が働いています。

動かない体重は「止め役」の筋肉を疲れさせる

体重が足の裏のどこかに寄ると、体はそちらへ倒れようとします。倒れないように、反対側の筋肉がブレーキをかけ続けます。これが「止め役」です。立ち仕事の疲れは、使った筋肉より、止め役を長く引き受けた筋肉に集まります。

止め役は、体重の置き場所が変わらない限り、ずっと同じ筋肉です。ここが歩くときとの違いです。歩いていれば体重は一歩ごとに前へ、左右へ移り、止め役も次々に入れ替わります。立ち仕事では、その入れ替わりが起きにくいのです。

疲れる場所で立ち方がわかる

どこが疲れるかは、体重をどこに置いていたかをそのまま映しています。仕事終わりに疲れている場所を、表に当ててみてください。

疲れる場所体重の置き場所止め役になっている筋肉
ふくらはぎ・足の指の付け根つま先寄りふくらはぎの奥の筋肉(ヒラメ筋)・足の指を曲げる筋肉
脛(すね)の前・太ももの前かかと寄り、または膝を伸ばし切っている脛の前の筋肉(前脛骨筋)・太ももの前の筋肉
足の裏の内側・内くるぶしの下・ふくらはぎの内側足の内側へ落ちている(アーチが下がる)アーチを持ち上げる筋肉(後脛骨筋・足の裏の小さな筋肉)
お尻の横・腰の片側いつも同じ脚に乗っている乗せた側の股関節の横の筋肉

つま先寄り:ふくらはぎと足の指が働き続ける

レジやカウンター、まな板のように、前に向かって作業する立ち仕事では、体重は自然とつま先寄りになります。前へ倒れないように、ふくらはぎの奥にあるヒラメ筋(ひらめきん・足首の後ろで体を後ろへ引き戻す、持久力の高い筋肉)が一日中ブレーキをかけます。足の指も床をつかんで踏ん張るため、指の付け根がじんじんします。足の指に力が入ったまま抜けない感覚が強い方は、体の力が抜けない原因|3つのタイプも参考になります。

かかと寄り:膝を伸ばし切って「寄りかかる」立ち方

逆に、体重をかかとへ乗せ、膝を後ろへ押し込むように伸ばし切って立つ方もいます。膝の関節が止まるので一見楽ですが、脛の前の筋肉と太ももの前の筋肉が、体が後ろへ倒れないよう働き続けます。この立ち方は、膝が伸び切っているために体重を動かしにくく、止め役が入れ替わりません。

内側に落ちる:足のアーチが下がっている

足の裏の内側や、内くるぶしの下がだるくなる方は、立っている間に足のアーチ(土踏まずの弓なりの形)が下がってきています。アーチを持ち上げている筋肉が、長時間の体重に負けている状態です。仕組みは次の章で説明します。

片側に寄る:同じ脚に乗り続けている

お尻の横や腰の片側だけが疲れる方は、体重が片脚に寄っています。左右差の出方は体の片側だけ疲れるのはなぜ?支える側に出る左右差で詳しく扱いました。この記事では、両足に乗っていても起きる疲れを中心に進めます。

理学療法士の視点|足の裏と体重

ここからは運動学の側から、立ち仕事の疲れが足の裏とふくらはぎに集まる理由を補足します。

足のアーチは骨ではなく筋肉が持ち上げている

足の裏の土踏まずは、骨の形だけで保たれているわけではありません。足の裏の小さな筋肉と、足首の内側を通る後脛骨筋(こうけいこつきん・ふくらはぎの奥から内くるぶしの後ろを通り、足の内側を引き上げる筋肉)が、弓のつるを引くようにアーチを持ち上げています。座っているときは体重がかからないので、この筋肉は休めます。立っている間は、体重に負けないよう、ずっと引き上げ続けます。長時間立つと土踏まずが下がり、足の裏の内側や内くるぶしの下がだるくなるのはこのためです。

アーチが下がると、足の内側が床に近づき、膝は内側へ、太ももは内へねじれます。足の疲れが、仕事の後半になると膝の内側や太ももの内側へ広がる方は、この順番で負担が移っています。

ヒラメ筋は立っているだけで働く「姿勢の筋肉」

立っているとき、体の重心は足首の関節より少し前にあります。何もしなければ体は前へ倒れるので、ふくらはぎの奥のヒラメ筋が、足首を後ろへ引き戻し続けています。ヒラメ筋は、長く力を出し続けることに向いた筋肉です。だからこそ、疲れていても自覚しにくく、仕事が終わってから一気に重さが出ます。立ち仕事でふくらはぎが棒のようになるのは、ヒラメ筋が止め役を一日中引き受けた結果です。

膝を伸ばし切ると、体重を動かせなくなる

膝を後ろへ押し込んで伸ばし切ると、膝の関節は骨と靱帯(じんたい・骨同士をつなぐ丈夫な帯)で固定され、太ももの筋肉は少し休めます。その代わり、足首と股関節も動きにくくなり、体重の置き場所を変える手段がなくなります。止め役が入れ替わらないまま時間が過ぎ、脛の前やふくらはぎに疲れが溜まります。膝をわずかにゆるめた立ち方は、筋肉で立つぶん最初は疲れるように感じます。けれど体重を動かせるので、同じ筋肉に負担が集まりにくいのです。

立ち仕事の歩数は「歩き」になっていない

立ち仕事の方の歩数は、一日で1万歩を超えることも珍しくありません。それでも疲れが残るのは、その歩数の多くが「歩き」ではなく「踏み替え」だからです。数歩進んで止まり、向きを変え、横へ一歩、また止まる。この動きでは、体重が前へ流れる勢いが使えず、一歩ごとに足で体を止めて、また押し出すことになります。歩数は多くても、止め役の筋肉が休める時間は、続けて歩くときほど長くありません。続けて歩くときの疲れ方との違いは、歩くと疲れる原因|後ろ脚で押せているかで扱っています。

自分で確かめる方法

自分の体重の置き場所は、次の4つで見当がつきます。どれも今日の仕事終わりに確かめられます。

  • 仕事終わりに、足の裏のどこが疲れているか:靴を脱いだ直後に、かかと・指の付け根・内側のどこが重いかを確かめます。先ほどの表に当てると、体重の置き場所が見えます
  • 靴の中で足の指が動くか:立ったまま、靴の中で足の指を反らせ、次に開いてみます。動かせないなら、靴が指の働きを止めています
  • 片脚立ちで、内くるぶしが内へ倒れるか:壁の近くで片脚立ちをし、足首の内側が内へ倒れ込むかを見ます。倒れる側は、アーチを持ち上げる筋肉が体重に負けやすい足です
  • 立ったまま体重を前後に移せるか:つま先寄りからかかと寄りへ、ゆっくり体重を動かします。どちらかで止まる、膝が伸び切って動かないという感覚があれば、普段その位置で固まっています

4つのうち2つ以上に当たる方は、立ち方の中に「止め役が入れ替わらない時間」が長く入っています。あとで紹介する工夫がそのまま当てはまります。

放っておくとどうなるか

立ち仕事の疲れは、帰って足を伸ばせば、その日のうちに軽くなることが多いです。ただ、体重の置き場所が毎日同じなら、翌日もまた同じ筋肉が止め役になります。

アーチを持ち上げる筋肉が疲れ続けると、土踏まずは下がった形で落ち着き、足首は内側へ倒れた位置で硬くなります。そうなると、意識して体重を外側や後ろへ移そうとしても、足首がついてきません。置き場所を変えられない足になり、疲れは膝の内側、太ももの内側へと上がっていきます。

もうひとつは、靴やインソールだけで対処を続けることです。支えがあるぶん楽になりますが、支えに預けた筋肉は、使わない時間が増えます。支えを外したときに、以前より早く疲れるようになったという方は少なくありません。

立ち仕事中にできる4つの工夫

目指すのは、疲れない立ち方をひとつ見つけることではありません。止め役の筋肉が、一日のうちで何度も入れ替わる立ち方です。

1. 体重の置き場所を足の裏の中で動かす

その場で足踏みができない場面でも、足の裏の中で体重を動かすことはできます。つま先寄りからかかと寄りへ、外側から内側へ、2〜3秒かけてゆっくり移します。会計を1件終えるごと、料理を1品仕上げるごとなど、仕事の区切りに合わせると忘れません。時間で決めるより、区切りの回数で数えるほうが続きます。

2. 膝を一度ゆるめる

膝を伸ばし切って立っていると気づいたら、1cmだけ曲げます。見た目はほとんど変わりませんが、足首と股関節が動ける状態に戻ります。ゆるめた膝は数分で元に戻るので、こちらも区切りごとに繰り返します。

3. 靴の中で足の指を動かす

靴の中で、足の指を床に向けて軽く曲げ、次に反らせて開きます。これを5回。足の裏の小さな筋肉と、アーチを持ち上げる筋肉が、縮む・ゆるむを繰り返せます。止め役として力を出し続けていた筋肉に、短い休みが入ります。レジ待ち、信号待ち、電話中など、手が止まっている時間で十分です。

4. 靴は「指の余裕」と「かかとの固定」で選ぶ

立ち仕事の靴は、歩くための靴とは求めるものが少し違います。見るのは2点です。ひとつは、靴の中で足の指が反れる・開ける余裕があること。先が細い靴では、アーチを持ち上げる筋肉が働けません。もうひとつは、かかとがぐらつかずに収まること。かかとが靴の中で動くと、足首が内側へ倒れやすくなります。クッションの厚さは3番目です。インソールを使う場合は、支えに任せきりにせず、工夫1〜3を続けてください。

セルフケアで届きにくいところ

体重を移そうとしても、足首が内側へ倒れたまま動かない方がいらっしゃいます。長く下がったアーチの周りで、足首と足の裏の筋肉が硬くなっているためです。この状態では、意識だけで置き場所を変えるのは難しく、まず足首と足の指の動く範囲を戻す必要があります。

もうひとつは、自分の体重の置き場所は、自分では見えないことです。長く続けた立ち方は、本人には「普通」に感じられます。浦和でパーソナルトレーニングを受けられるLIMITED浦和店では、立ったときの体重の置き場所、片脚立ちでの足首の倒れ方、足の指の動きを実際に見て、どこから進めるかを決めます。

受診をおすすめするサイン

立ち仕事の疲れの多くは、体重の置き場所と動かし方で説明がつきます。ただ、次のような症状があるときは、使い方の問題ではなく、病気やけがが隠れている可能性があります。先に医療機関を受診してください。

  • 朝起きて最初の一歩で、かかとや足の裏に鋭い痛みが走り、それが数週間続く
  • 片側の脚だけに、急な腫れ・熱感・痛みが出た(すぐに受診が必要です)
  • 足のしびれや感覚の鈍さが、休んでも続く
  • 足の甲や足首が腫れて、数日たっても引かない
  • 立っていると脚の血管が浮き出て痛む、皮膚の色が変わってきた

相談先は、足やかかとの痛みなら整形外科、脚の腫れや血管の症状なら内科や血管外科が目安です。当店は医療機関ではありませんので、診断や治療は行えません。検査で異常がなかったあとに疲れが残る場合は、検査で異常なしと言われた疲れの探し方が参考になります。

LIMITED浦和店での進め方

当店では、国家資格を持つ理学療法士兼パーソナルトレーナーが最初から最後まで直接担当します。監修者が別にいて指導は別の人、という形は取っていません。

立ち仕事で疲れるというご相談では、まずどこが疲れるか、仕事中にどの向きで立つ時間が長いかを伺います。そのうえで、自然に立ったときの体重の置き場所、片脚立ちでの足首の倒れ方、足の指の動く範囲、膝が伸び切る癖の有無を確かめます。

硬くなった足首や足の裏は整体で動く範囲を戻し、体重を足の裏の中で移す練習、足の指でアーチを持ち上げる運動、膝をゆるめて立つ練習を入れていきます。キツい筋トレは行いません。仕事帰りに運動していいか迷う日は、疲れてる時は運動すべきかの5分の見極め方も参考にしてください。座り仕事の疲れは出方が違うので、デスクワークの方はデスクワークの疲労回復|3つの時間帯をご覧ください。

よくある質問

立ち仕事中の足踏みは、疲れに効きますか?

役に立ちます。足踏みをすると体重が左右に移り、止め役の筋肉が入れ替わるからです。ただ、接客中や調理中など、足踏みができない場面は多いものです。その場合は、靴の中で体重をつま先寄りからかかと寄りへ移す、足の指を曲げて反らせる、膝を1cmゆるめる、の3つで同じことを狙えます。見た目に動かなくても、止め役は入れ替わります。

インソールを入れれば、立ち仕事の疲れは出なくなりますか?

下がったアーチを下から支えてくれるので、入れた直後は楽になる方が多いです。ただ、支えに預けたぶん、アーチを持ち上げる筋肉は使われなくなります。インソールは支えであって、筋肉の代わりではありません。使うなら、足の指を動かす工夫と組み合わせ、靴を脱いだあとに足の裏の内側が疲れていないかを確かめてください。合わないインソールで痛みが出るときは、使用をやめて専門家に相談してください。

立ち仕事のあとに運動すると、疲れが増えませんか?

立ち仕事で疲れているのは、止め役として同じ長さで働き続けた筋肉です。その筋肉を同じ形でさらに使えば、疲れは増えます。一方、縮む・ゆるむを繰り返す軽い運動は、止め役だった筋肉を動かす側に切り替えるので、楽になる方が多くいらっしゃいます。目安は、足首を大きく回す、かかとを上げ下げする、片脚で軽く体重を移す程度です。息が上がる運動は、疲れがいつ出るかを見てから加えてください。

まとめ

立ち仕事で疲れるのは、立っている時間が長いからだけではありません。体重が足の裏の同じ場所に置かれたまま、止め役の筋肉が入れ替わらない時間が長いからです。疲れる場所を見れば、体重の置き場所が分かります。つま先寄りならふくらはぎ、かかと寄りなら脛の前、内側ならアーチを持ち上げる筋肉が働き続けています。足の裏の中で体重を動かす、膝をゆるめる、足の指を動かす、指が動く靴を選ぶ。この4つで、止め役を入れ替えてください。

体重を移そうとしても足首が動かない、自分の立ち方が分からないという方は、足の側を整える必要があります。浦和のパーソナルジムLIMITED浦和店では、立ったときの体重の置き場所と足首の動きを実際に見てから進め方を決めます。立ち仕事の疲れが毎日続いている方は、体験トレーニングで足の裏の使い方を確かめてみてください。

体験トレーニングのご案内

LIMITED浦和店では、国家資格を持つ理学療法士があなたの身体を直接評価し、整体とトレーニングを組み合わせて不調の根本改善をサポートします。JR浦和駅から徒歩5分・専用駐車場あり。運動が苦手な方も歓迎です。

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お電話でのお問い合わせ:080-1216-7723(営業 9:00〜21:00・不定休)
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この記事の執筆・監修者

本記事は、LIMITED総代表の飯塚勇人(理学療法士/株式会社ゼノフィット)が
執筆・監修しています。

  • 氏名:飯塚勇人(いいづか はやと)
  • 資格:理学療法士(国家資格)
  • 役職:LIMITED総代表
  • 所属:株式会社ゼノフィット
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