体の片側だけ疲れるのはなぜ?左右差の理由を理学療法士が解説

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体の片側だけ疲れるのはなぜか、という相談は意外と多いものです。右の腰だけが重い、左の首筋だけが張る、片側のお尻だけがだるい。整体で「ゆがみ」と言われたけれど、しばらくすると同じ側に戻ってくる。この記事では、片側だけに疲れが出る仕組みを「使う側」と「支える側」に分けて整理し、左右差を自分で確かめる方法と、日常で役割を入れ替える工夫を理学療法士がお伝えします。

目次

体の片側だけ疲れるのはなぜか

「ゆがみ」だけでは説明しきれない

片側だけの不調は、骨盤や背骨のゆがみが原因だと説明されることが多いです。確かに、長く同じ姿勢を続けた体は左右で形が少し違ってきます。ただ、形の違いは結果であって、出発点ではないと当店では考えています。形を整えても、毎日の使い方が変わらなければ、数日で同じ側に疲れが戻るのはそのためです。

そもそも、左右がまったく同じ人はいません。利き手があり、利き足があり、よく乗る脚があります。左右差そのものは誰にでもあって、それだけで疲れが出るわけではありません。

疲れは「使う側」より「支える側」に出る

では何が疲れを作るのか。指導の現場で左右差のある方を見ていて気づくのは、疲れる側と、よく使う側が一致していない方が多いことです。右手で作業をしているのに、張るのは左の腰。右手にカバンを持つのに、だるいのは左のわき腹。

片手で何かをするとき、体はもう片方で土台を作っています。動かす側が「使う側」、動かないように体を止めている側が「支える側」です。片側だけの疲れは、使いすぎた側よりも、支え続けた側に出ることが多い。これが、この記事でいちばん伝えたいことです。そして、左右の役割が一日中入れ替わらないことが、疲れを片側に集めます。

片側に疲れが集まる3つの場面

役割が固定される場面は、大きく3つに分けられます。自分の一日のうち、どれが長いかを思い浮かべながら読んでください。

場面使う側支える側疲れが出やすい所
①持つ(カバン・傘・買い物袋)持っている腕と肩反対側のわき腹と腰持っていない側の腰・わき腹
②立つ・座る(休め姿勢・脚組み・片肘)—体重を乗せた側の股関節乗せている側のお尻の横・腰
③操作する(マウス・包丁・運転)利き手と利き足反対側の体幹と脚利き手と反対側の背中・お尻

①持つ:荷物の反対側が働く

右手にカバンを持つと、体は右へ引っ張られます。倒れないように、左のわき腹と腰の筋肉が上体を引き戻し続けます。カバンを持っている右腕は、信号で止まれば力が抜けます。けれど左のわき腹は、持っている間ずっと働いたままです。雨の日に傘を差す側の肩だけが張る方は、雨の日にだるい理由|傘を持つ側の肩と歩き方で傘の持ち方を扱っています。

②立つ・座る:乗せた側だけが止めている

電車を待つとき、台所で立つとき、たいていの方は片脚に体重を乗せた「休め」の姿勢を取ります。休めているのは乗せていない脚だけです。乗せた側の股関節は、骨盤が横へ落ちないように止め続けています。座っているときの脚組みや、片肘をついて頬を支える姿勢も同じで、いつも同じ側で止めている方がほとんどです。

③操作する:利き手の土台は反対側

マウスを右手で動かすとき、右腕が細かく動けるのは、左側の体幹が体を固定しているからです。包丁、ドライヤー、スマートフォンも同じです。車の運転では右脚だけがアクセルで働き続けますが、その間、左のお尻と腰は体を座面に固定しています。運転の疲れの出方は運転で疲れるのはなぜか|右脚だけが休まない理由で詳しく扱いました。家事でいつも同じ手を使う方は、家事で疲れる原因|同じ側の手ばかり使う負担もご覧ください。

理学療法士の視点|役割の固定

ここからは運動学の側から、片側の疲れが「支える側」に集まる理由を補足します。

片手で持つと反対側の体幹がてこで働く

右手に5kgの荷物を持つと、体は右へ倒れようとします。これを止めるのは、左側の腰方形筋(ようほうけいきん・腰の奥にあって上体を横に引き起こす筋肉)と腹斜筋(ふくしゃきん・わき腹の筋肉)です。荷物が体から遠いほど、てこの原理で反対側の筋肉が出す力は大きくなります。荷物の重さは右腕が受け、荷物の「位置」は左の体幹が受ける。片側の疲れが荷物と反対側に出る理由はここにあります。

片脚に乗ると股関節の横が止め続ける

片脚に体重を乗せて立つと、骨盤は乗せた側へずれ、反対側が下がろうとします。それを止めているのが、乗せた側の中殿筋(ちゅうでんきん・お尻の横にある、骨盤を水平に保つ筋肉)です。休め姿勢では筋肉だけでなく股関節の靱帯(じんたい・骨同士をつなぐ丈夫な帯)にもぶら下がるため、楽に感じます。ただ、乗せた側の股関節の横とその上の腰は、立っている間ずっと働いています。いつも同じ脚に乗る方は、その側のお尻の横だけが硬く、押すと痛いことが多いです。

動かない側ほど筋肉は休めない

使う側の腕や脚は、動かすたびに力が入ったり抜けたりします。筋肉は縮むとゆるむを繰り返すとき、ポンプのように血液を送れます。一方、支える側は同じ長さで力を出し続けます。力の出し入れがない筋肉は、血液の通りが悪くなり、同じ時間でも疲れが残りやすいのです。動かした側より、動かなかった側のほうが疲れるという、一見すると逆のことが体の中では起きています。

両脚同時の運動では左右差が見えない

左右差があると、「弱い側を鍛えよう」とスクワットなどの運動を始める方がいます。ただ、両脚で同時に行う運動では、強い側が自然に多くの仕事を引き受けます。回数をこなしても左右差は残り、場合によっては広がります。左右差を見るときも変えるときも、片脚ずつ、片腕ずつが基本です。これは理学療法で左右差を評価するときの基本と同じ考え方です。

自分で確かめる方法

自分の左右の役割がどう固定されているかは、次の4つで見当がつきます。すべて今日のうちに確かめられます。

  • 何も考えずに立ったとき、どちらの脚に乗っているか:歯みがきや洗い物の途中で、ふと足元を見ます。たいてい同じ側に乗っているはずです。その側が「支える側」です
  • 座ったときに組む脚と、肘をつく側:脚を組むとき上に来る脚、頬杖をつく手を確かめます。上に来る脚の反対側のお尻が、座面で体を支えています
  • 片脚立ちを左右30秒ずつ:壁の近くで、目は開けたまま行います。ぐらつきやすい側、股関節の横が先に疲れる側に注目します。いつも乗っている側のほうが安定するなら、役割が固定されています
  • 「疲れる側」と「使う側」を書き出す:紙に、疲れる部位と、カバンを持つ手・マウスの手・乗る脚を書きます。疲れる側と使う側が同じなら使いすぎ型、反対なら支え型です

使いすぎ型の方は、動かし方や道具の持ち方を見直すのが先です。支え型の方は、この記事の工夫がそのまま当てはまります。どちらか迷う場合は、疲れる側を数日間メモすると見えてきます。

放っておくとどうなるか

片側だけの疲れは、揉んだりお風呂で温めたりすれば、その日は軽くなります。ただ、役割が固定されたままだと、翌日から同じ側がまた支え始めます。

支え続けた側は、同じ長さで働く時間が長いため硬くなります。硬くなると、反対の脚に乗ろうとしても股関節が動かず、結局いつもの側に戻ります。一方、支えてこなかった側は、支える練習をしていないので乗ると不安定です。こうして「支える側がさらに支え、支えない側はさらに支えない」という方向へ進みます。片側に力が入ったまま抜けない感覚が強い方は、体の力が抜けない原因|3つのタイプもあわせてご覧ください。

左右の役割を入れ替える4つの工夫

目指すのは左右差をゼロにすることではありません。一日のうちで、支える側が何度か入れ替わる状態です。

1. 休め姿勢を「乗らない側」でつくる

片脚に乗ること自体をやめる必要はありません。乗っていると気づいたら、反対の脚に乗り替えます。はじめは落ち着かない感じがしますが、それは支える練習が足りていない側だからです。時間で決めるより、「気づいた回数」だけ替えるほうが続きます。

2. 荷物は「替える」より「近づける」

持つ手を替えるのが難しい場面は多いものです。そのときは荷物を体に近づけます。肘を伸ばして荷物を脚のすぐ横に下げるだけで、反対側の体幹が出す力は小さくなります。重い買い物は袋を2つに分け、両手に持つと、支える側がなくなります。

3. 操作する手は変えず、土台の側を変える

マウスや包丁を左手に替えるのは現実的ではありません。変えるのは土台のほうです。座っているときは両足を床につけ、脚を組まない。画面やまな板を体の正面に置き、体をひねった状態で固定しない。土台が左右対称に近づくだけで、片側の体幹に集まっていた仕事が分かれます。

4. 運動は片側ずつ行う

椅子から立つとき、支えてこなかった側の脚に体重を寄せて立ちます。階段では、その側の脚から上がります。ジムで運動する方は、両脚同時の種目より、片脚で行う種目を優先してください。片側ずつなら、強い側が肩代わりできないので、支えてこなかった側に仕事が回ります。

セルフケアで届きにくいところ

乗らない側に乗り替えようとしても、乗れない方がいらっしゃいます。支え続けてきた側の股関節やわき腹が硬くなり、骨盤がそちらへ寄ったまま戻らないためです。この場合、意識だけで役割を入れ替えるのは難しく、まず硬くなった側の動く範囲を戻す必要があります。

もうひとつは、自分では左右差が見えないことです。長く続けた立ち方は、本人には「まっすぐ」に感じられます。鏡で見ても、見慣れた形を基準に判断してしまいます。浦和でパーソナルトレーニングを受けられるLIMITED浦和店では、立ち方と片脚立ち、荷物を持ったときの上体の傾きを実際に見て、どちらを先に進めるかを決めます。

受診をおすすめするサイン

片側だけの疲れの多くは、使い方の偏りで説明がつきます。ただ、次のような症状があるときは、使い方の問題ではなく病気が隠れている可能性があります。先に医療機関を受診してください。

  • 突然、片側の手足に力が入らない、しびれる、顔の片側がゆがむ、ろれつが回らない(すぐに救急の受診が必要です)
  • 片側のしびれや脱力が、休んでも数日以上続く
  • 片側の脚だけが急に腫れ、熱を持って痛む
  • 片側の手足の筋肉が、以前より明らかに細くなってきた
  • 安静にしていても、夜間も続く片側の痛みがある。発熱や体重減少を伴う

相談先は、手足の症状なら整形外科、しびれや脱力が中心なら神経内科が目安です。当店は医療機関ではありませんので、診断や治療は行えません。検査で異常がなかったあとに疲れが残る場合は、検査で異常なしと言われた疲れの探し方が参考になります。

LIMITED浦和店での進め方

当店では、国家資格を持つ理学療法士兼パーソナルトレーナーが最初から最後まで直接担当します。監修者が別にいて指導は別の人、という形は取っていません。

片側だけ疲れるというご相談では、まず疲れる側と使う側を伺い、使いすぎ型か支え型かを一緒に整理します。そのうえで、自然に立ったときに乗る脚、片脚立ちの左右差、股関節の動く範囲の左右差、荷物を持ったときの上体の傾きを確かめます。

硬くなった側の股関節やわき腹は整体で動く範囲を戻し、支えてこなかった側で立つ、片脚で座る・立つといった運動を入れていきます。キツい筋トレは行わず、片側ずつの軽い運動が中心です。疲れている日に動くか休むか迷うときは、疲れてる時は運動すべきかの5分の見極め方も参考にしてください。

よくある質問

利き手を反対に替えれば左右差はなくなりますか?

利き手を替える必要はありません。左右差は誰にでもあり、ゼロにすることが目標ではないからです。変えるのは操作する手ではなく、支える側です。立つときに乗る脚、座るときの脚組み、荷物の持ち方といった土台の側が一日のうちで入れ替われば、片側に集まる疲れは分散しやすくなります。

疲れる側だけを鍛えたほうがいいですか?

疲れる側は、鍛えるより先に休ませたい側であることが多いです。支え続けて硬くなった側に運動を足すと、さらに働く時間が増えます。優先するのは、支えてこなかった反対側で立つ・支える練習です。運動を行うなら両側同時の種目ではなく、片脚ずつ、片腕ずつの種目を選び、左右の差を感じながら進めてください。

整体でゆがみを整えれば片側の疲れは出なくなりますか?

硬くなった側の動く範囲を戻すうえで、整体は役に立ちます。ただ、形を整えたあとに同じ立ち方や持ち方を続ければ、数日で同じ側に戻りやすいです。整体で動く範囲を戻し、そのうえで支える側を入れ替える習慣と運動を組み合わせると、戻りにくくなる方が多くいらっしゃいます。

まとめ

体の片側だけ疲れる理由は、ゆがみそのものより、左右の役割が一日中入れ替わらないことにあります。疲れは使う側より支える側に出やすく、荷物の反対側のわき腹、いつも乗る脚の股関節、利き手と反対側の体幹に集まります。休め姿勢の脚を替える、荷物を体に近づける、土台を左右対称に近づける、運動は片側ずつ行う。この4つで、支える側を入れ替えてください。

乗り替えようとしても乗れない、自分の左右差が分からないという方は、身体の側を整える必要があります。浦和のパーソナルジムLIMITED浦和店では、立ち方と片脚立ちを実際に見てから進め方を決めます。片側だけの疲れが続いている方は、体験トレーニングで左右差の中身を確かめてみてください。

体験トレーニングのご案内

LIMITED浦和店では、国家資格を持つ理学療法士があなたの身体を直接評価し、整体とトレーニングを組み合わせて不調の根本改善をサポートします。JR浦和駅から徒歩5分・専用駐車場あり。運動が苦手な方も歓迎です。

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お電話でのお問い合わせ:080-1216-7723(営業 9:00〜21:00・不定休)
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この記事の執筆・監修者

本記事は、LIMITED総代表の飯塚勇人(理学療法士/株式会社ゼノフィット)が
執筆・監修しています。

  • 氏名:飯塚勇人(いいづか はやと)
  • 資格:理学療法士(国家資格)
  • 役職:LIMITED総代表
  • 所属:株式会社ゼノフィット
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